皆さんこんにちは!
今回は、ある産地の農力アップ施用方法について紹介します。
この方法は稲わらの腐熟を促し、農力アップに含まれる「鉄とマンガン効果」で春先の根を痛める硫化水素ガスの軽減に役立ちます。
皆様は『農力アップ』を稲刈り直後の秋から代掻きをする二週間程前の春先までに、作業の都合により施用していただいているかと思います。
そのような中である産地では、(窒素+石灰)を含んだ肥料と『農力アップ』を同時に秋施用することをすすめております。
稲わらのすき込みと同時に(窒素+石灰)を含んだ肥料を施用すると、
① 窒素は微生物のエサとなること
② 石灰は微生物に好ましい弱酸性~中性土壌にすること
そして、石灰と同じくアルカリ資材である『農力アップ』を施肥することで、微生物に好ましい環境作りを手助けします。
※注意として石灰等のアルカリ資材と、酸性資材との混用は避けて下さい。
以上の効果によって微生物の活動が活発となり、稲わらを効果的に腐熟させることができます。
それでは、何故秋施用なのでしょうか。
その理由は、地温の高い時期は微生物の活性が高いためです。
施用時期が遅れて地温が低くなると、微生物の活動が悪くなり、春先まで窒素が残り、基肥の他にこの窒素がプラスされ、窒素のコントロールが難しくなるので注意が必要です。
「コシヒカリ」等の倒伏の恐れのある品種は特にご注意下さい。
作業上の都合で施用が遅れてしまう方は、春先に窒素が残らないように、地温が低くても微生物の活性のある資材と組み合わせた農力アップの施用をおすすめしております。
上記の施用方法は、いずれも稲わらを腐熟させ、硫化水素ガスの発生を軽減することを目的としております。
硫化水素ガスの発生を少しでも減らし、根の傷みを軽減することで、根が養分をしっかり吸収できる土壌環境を作っていきましょう。
今回の農力アップ施用方法を、高温障害にも耐えられるような、稲づくりに是非お役立てください!